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葛城古道シリーズ⑥

高鴨神社

全国鴨(加茂)社の総本宮で、弥生中期より祭祀を行う日本最古の神社の一つです。
以前にも春の「サクラソウ」の神社という事で紹介したことがあります。
 
 

主祭神は阿遅志貴高日子根命(あぢしきたかひこねのみこと)、 その御名を
迦毛之大御神(かものおおみかみ:「大御神」と名のつく神様は天照大御神
伊邪那岐大御神と三神しかおられません。)と申され、死した神をも甦らせる
ことができる、 御神力の強き神様であられます。
 
 

それゆえ病気平癒、初宮、大祓い等、甦りに関する信仰が深く、また人の歩む
道を目覚めさせてくださる神様として全国より篤く御崇敬を受けております。
「カモ」は「カミ」と同源であり「カモす」という言葉から派生し、「気」が放出し
ている様子を表しています。 
夏場に参詣するれますと、涼しく感じられるのはその為です。

この地は大和の名門の豪族である鴨の一族の発祥の地で本社はその鴨族が
守護神として祀った社の一つであります。
 

大和の名社である大神神社や大和大国魂神社とならんで従二位の御神階に
あった本社の 御祭神もともに従一位に叙せられましたが、それほどの由緒を
もつ古社であります。
鳥居を入って御手洗の先の池に能舞台が設えられているのもそういう経緯が
あるのかも知れません。
 

弥生中期、鴨族の一部はこの丘陵から大和平野の西南端今の御所市に移り、
葛城川の岸辺に鴨都波神社をまつって水稲生活をはじめました。
賀茂(加茂・賀毛)を郡名にするものが安芸・ 播磨・美濃・三河佐渡の国に
みられ、郷村名にいたっては数十におよびます。
中でも京都の賀茂大社は有名ですが、此処はそれら賀茂社の総社にあたります。
 

日本書紀』によると、八咫烏(やたがらす)が、神武天皇を熊野から大和へ
道案内したことが記されています。そして神武・綏靖・安寧の三帝は鴨族の
主長の娘を后と され、葛城山麓に葛城王朝の基礎をつくられました。
 
 

この王朝は大和・河内・紀伊・山城・丹波・吉備の諸国を支配するまでに発展
しましたが、わずか九代で終わり、 三輪山麓に発祥した崇神天皇にはじまる
大和朝廷によって滅亡しました。 こうした建国の歴史にまつわる由緒ある
土地のため、鴨族の神々の御活躍は神話の中で大きく 物語られています。
 
 
奉納されている絵馬を読んでみたら、ジャニーズ事務所の人気アイドルの
病気治癒願いなんかもあって失礼ながら笑ってしまいました。
 
 
因みに本殿側から能舞台を見たところが
 
 
これって能を待っている姿を見れる?  距離的に。